1861年に始まった南北戦争は、4年の歳月と両軍あわせて100万人近い死傷者を出す激しい戦争でした。戦局は、次第に北軍有利となりました。「人民の、人民による、人民のための政治」という名演説をした共和党のエイブラハム・リンカーンは奴隷解放を布告し、南軍は降伏しました。しかしその直後、リンカーンがワシントン市の劇場で暗殺されたことは、多くの人々が知るとおりです。南北戦争の後、アメリカは急激な工業化と高度成長を続けます。しかし、その過程でアメリカ社会の中に、幾多の矛盾や対立を生みました。欧州からの移民が激増する下で、農村社会と都市社会との対立、アングロサクソン系と東欧・南欧系との対立、また宗教の面でも、プロテスタントとカトリックとの対立など様々な対立が表面化してきました。しかし何といっても、最大の問題は工業化が進む中での労使の対立でした。賃金・労働時間をめぐる労使の対立は至る所で発生し、ストライキも続発します。19世紀末のアメリカは、世界一の工業国に躍進した一方で、農村と都市との対立、古いアメリカ人と新しい移民との対立、労働と資本との対立など、不安定な時代でもあったのです。
流通機構とは、生産された商品が消費者へ届くまでの経路と仕組みのことです。日本ではこの部門で約1,000万人、全就業者の2割近い人々が慟いています。商店の数は減り続けていますが、卸売業はまだ40万店、小売業は160万店もあります。小売業の多くは零細で、全体の約4割は飲食料品店です。欧米では一度にたくさんの食料を買ってきて冷蔵庫で保管するのが普通ですが、日本では新鮮な魚や野菜を毎日少しずつ買う家庭が多く、流通機構もそうした消費行動に適した形になったのです。欧米諸国と異なるもうひとつの特徴は、卸売部門が一次問屋、二次問屋というように多段階に分かれており、流通の経路が複雑なことです。また、大手メーカーの商品はその系列の問屋にしか流れず、ブ
ランド商品は特定の代理店が半ば独占的に輸入・販売するといった系列取引も目立ちます。