戦後の冠婚葬祭は、自治体と互助会からというわけで戦後である。冠婚葬祭の面から見た戦前と戦後を分けるもっとも大きなトピックスは、日本国憲法の発布(一九四六年)と民法の改正(一九四七年)であろう。親族・相続について定めた民法の第四編・第五編が大きく改正されたのだ。憲法第二四条によって「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない」と規定され、戸主を中心とした三世代の戸籍は廃止。かわって登場した新しい戸籍は、夫婦と子の二世代からなり、婚姻によって新しく作成されることになった。つまり、ここで「家制度」は廃止された、はずだった。はずだった、といったのは、実際には「家」は温存されたに等しかったからである。
仏式で行われる通夜を訪れて、読経の最中なら焼香をすることで死者へのたむけはできるが、早すぎたり遅れたりすると、線香を立てることになる。また、葬儀に行けなかったとか、とくに親しかったからという理由で後日遺族宅を訪問しても、線香を立てる。作法にのっとった線香の扱いを覚えておきたい。まず焼香と同じように位牌か写真を注視し、合掌する。右手で線香立てから線香を一本だけ取って火をつける。火はロウソクの炎を使い、火が移って燃える線香の炎を消すには、左手であおいで風を送る。体温計を振るように右手を振って火を消したり、息を吹きかけて消したりしてはいけない。線香の頭が赤くなって着火したことが確かめられてから、線香立てに差し、再び位牌か写真を見つめてから合掌すれば、作法どおりである。
手を重ねるときは「右手を下に」お客様を歓迎する立場のデパートやホテルには、腕組みをして立っているスタッフはいない。腕組みは「拒否、防御」などを示すポーズ。「胸を開く」というように、人間にとってもっとも重要な心臓の部分をオープンにすることは、相手を招き入れる心を示す。ビジネスで相手を口説きたいのならば、間違っても腕組みしながら「別に……」という態度ではいけない。接客で店頭に立つスタッフの基本姿勢は、右手を下に、左手を上に、5本の指を揃えて重ね、おへそより少し下に当てて背筋を伸ばしたポーズ。右手を下にするのは、利き手を隠し、「あなたを攻撃しない」ということを示す意味がある。オフィスなら役職の高い人の前に出るときや取引先をお見送りするときなど、いざというときに使うと、折り目正しく見える。