不動産投資の方法論については、経営コンサルタントによって若干意見が異なる。ここではわたしの持論を述べてみたい。直感の鋭い読者は本書のプロローグを読んで気付かれたのではないかと思うが、わたしがすすめている不動産投資は、バブルの時代に全盛を極めた転売を前提としたものではない。バブルの時代には地価の上昇に応じて、不動産価格もどんどん値上がりした。だから物件を購入してしばらく寝かせ、それから転売すれば確実に利益が得られたのである。
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銀行も簡単に融資に応じてくれた。わたしも転売で億単位の利益を上げた体験が多々あるが、これからの時代の不動産投資は、家賃収入を狙ったものが主要になる。バブル期とは違って地価は一気に下落することもあるが、賃料は地価のように急激には下がらない。そこで、あくまでも家賃収入を得て、老後の個人年金をつくるのが目的である。もちろん結果として、ある程度の家賃収入を上げたあと、不動産物件を転売してさらに利益を上げられる状況になれば、それに越したことはないが……。バブル期の影響なのか、不動産投資といえば、購入した不動産物件を転売して利益を上げることだと考えている人は多いが、地価が安定してきた現在の経済環境の下では、旧来の不動産投資を行っても失敗する確率のほうが大きい。今後、都市部の地価は緩やかに上昇すると思われるが、バブル時代のような地価の値上がりはほとんど期待できない。となれば家賃収入を得ることを前提とした不動産投資のほうが賢明といえる。しかし、投資の対象とする物件の種類は、なにが最適なのだろうか。