外から見ると二世帯住宅は幸せそのものですが、老人の自殺率は一人暮らしより同居の方が多いというデータからも、その根の深さがうかがえます。お互いの世帯がより幸せになるために、多額の資金を投入して建設し、二世帯住宅のスタート時には円満だった家族がなぜ崩れていくのか。「こんなはずではなかった」と後悔している親世帯や子世帯を見ると、そこには、いまという時代の社会的背景とともに、家族の変容や矛盾が投影されているように思います。
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二世帯住宅が結果として、失敗してしまうケースを見ると、次の二つの原因に集約されるのではないでしょうか。まず一つは、現代の家族は核家族でさえさまざまな問題を抱えているのに、二つの家族が一つ屋根の下で暮らすことを、あまりにも安易にかつ楽観的に考えてしまうという、お互いの家族自身の問題があります。そしてもう一つは、住まいづくりにあたり、設計段階で二世帯が過ごすことによるさまざまな生活場面のシュミレーションや十分な打ち合わせをしなかったという、設計の問題があります。二世帯住宅に踏み切る動機は家族によってさまざまですが、二世帯住宅の相談に見える方の大半は親からの希望というより、息子や娘の子世帯から同居を申し入れるケースが多いようです。中には親が十年前に家を建てたばかりで、住まいに愛着や未練を残しながら子ども可愛さに負け、しぶしぶ建て替えを決めた例もありました。